デジタル印刷とグラビア印刷、どちらを選ぶ?
多品種やデザイン変更を前提にするならデジタル印刷を、同じデザインを継続してまとまった数量で作るならグラビア印刷も候補に入れ、総額で比較するのが出発点です。
ただし、「この枚数を超えたら必ずグラビアが安い」といった境界は一律ではありません。袋のサイズ、素材、印刷内容、加工、工場の設備によって条件が変わります。プロテインの味違いやサプリメントのシリーズ展開では、合計枚数よりも、デザインごとの内訳が判断の手掛かりになります。
まず押さえたい、印刷方式の違い
デジタル印刷は、印刷データをもとに出力する方式です。グラビア印刷用の版を製作せずに印刷できるため、多品種・小ロットの包材にも使われています。参考:TOPPAN「デジタルプリント包材」
グラビア印刷は、絵柄を刻んだシリンダー状の版を使う方式です。パッケージ用のフィルム印刷などに使われ、初回の版製作と、同じ版を使う継続生産を分けて考える必要があります。設備によっては段取りや色管理の自動化が進んでおり、「グラビアは少ない数量に一切向かない」とまで言い切ることはできません。参考:BOBSTの軟包装向け印刷技術
| 比較項目 | デジタル印刷 | グラビア印刷 |
|---|---|---|
| 印刷の準備 | グラビア用の版の製作は不要 | 印刷用の版を製作・準備する |
| 検討しやすい場面 | 多品種、デザイン変更、数量を分けた発注 | 同じデザインの継続生産、まとまった数量 |
| 初期費用 | 版以外のデータ調整・校正等の費用を確認 | 版代、校正等の費用とその範囲を確認 |
| 再注文 | データ変更の有無と再注文条件を確認 | 版の再利用条件、保管、改版費用を確認 |
| 色・仕上がり | 対応する色や素材を実物で確認 | 対応する色や素材を実物で確認 |
この表は比較の入り口です。実際の最低発注数量、価格、納期は見積もりで確認します。
1. 合計枚数ではなく、デザインごとの枚数を書く
たとえば、同じ袋で複数の味を展開する場合、合計ではまとまった枚数でも、1デザインあたりでは少量になることがあります。
見積もり依頼には「全部で何枚」だけでなく、味や商品ごとの枚数を添えましょう。袋のサイズや素材が共通かどうかも伝えます。複数デザインをまとめて生産できるか、その場合の条件は工場に確認が必要です。
まだ売れ行きが読めない新商品なら、初回の数量に加えて、売れたときに追加したい数量も伝えると、初回だけに偏らない比較ができます。
2. 初回と再注文を分けて、同じ範囲の総額を比べる
デジタル印刷にグラビア用の版代がかからなくても、データ調整や色の確認、サンプルなどの費用が別に必要な場合があります。「版代なし」を「初期費用がすべて無料」と読み替えないことが大切です。
グラビア印刷では、版代が何に対する費用かを確認します。再注文時に同じ版を使える条件、保管期間、サイズやデザインを変えたときに必要な対応も、初回の見積もり時に聞いておきましょう。
比較表は、次の3列に分けると整理しやすくなります。
| 発注の場面 | そろえる条件 |
|---|---|
| 初回生産 | 袋代、版などの初期費用、確認用サンプル、納品までの費用 |
| 同じ仕様で再注文 | 同じ数量・デザイン・納品先での総額 |
| デザイン変更後 | 変更する範囲、新しい版やデータ調整の要否、確認工程 |
袋の単価だけでなく、同じ納品場所に届くまでの費用をそろえて比べます。詳しくはパウチの見積もり比較チェックリストをご覧ください。
3. 味違いやリニューアルの予定を、先に共有する
価格が魅力的でも、販売中に成分や表示内容、デザインを見直す予定があるなら、その予定を判断に含める必要があります。
「まずは少量で反応を見たい」「売れ筋だけ増産したい」「季節限定デザインを加えたい」など、発注後の動きを想像してみましょう。数量を増やして単価を下げる案は、保管や使い切るまでの期間とあわせて検討します。
ここで重要なのは、将来の売上を精密に予測することではありません。変わりそうな条件を、変わらない条件と分けて伝えることです。
4. 色と質感は、画面上のデータだけで決めない
同じデザインデータでも、印刷するフィルムや白色の印刷、表面の仕上げなどによって見え方が変わります。印刷方式の名称だけで、どちらが必ずきれいかを決めることはできません。
色の確認では、ブランドとして重視する部分を絞って共有しましょう。たとえば、背景色、ロゴ、商品ごとの色分け、写真の見え方です。細い文字や線についても、予定するサイズで確認します。
見せてもらうサンプルが、実際に使う素材・印刷方式・仕上げと同じかどうかを聞くことも重要です。別仕様のサンプルは質感の参考になっても、量産品の色を承認したことにはなりません。
5. 印刷以外の工程を含めて、納品日を確認する
パウチは印刷が終わればそのまま完成、とは限りません。仕様に応じて、フィルムの貼り合わせや袋の形にする加工、検品、輸送などが続きます。
納期を比較するときは、データを渡した日、デザインを承認した日、製造開始日など、どこを起点にしているかを確認してください。短納期という表現だけで決めず、指定の場所への到着予定日をそろえます。
印刷方式の相談に添えたい情報
- 商品の種類と袋の形状・サイズ
- 素材や仕上げの希望
- デザイン数と、各デザインの初回枚数
- 同じ仕様で再注文する予定
- 今後変更する可能性がある部分
- 特に合わせたい色や見せたい質感
- 必要な納品日と納品先
方式を決めきれていなければ、同じ条件で両方式を比較できるか相談するとよいでしょう。
よくある質問
デジタル印刷なら、どんな数量でも安くなりますか?
いいえ。印刷用の版の有無は費用の一要素です。数量、素材、加工、デザイン数などで総額が変わるため、価格は個別の見積もりで比べます。
デジタル印刷からグラビア印刷に切り替えられますか?
切り替えを検討することはできますが、データや色、素材、仕上がりをそのまま引き継げるとは限りません。変更する条件を整理し、必要なサンプル確認を行います。
パケ直への相談は、印刷方式が未定でも
パケ直では、デジタル印刷・グラビア印刷を含め、商品や数量に合わせたパウチの仕様をご相談いただけます。まずはデザインごとの希望枚数と、今後の再注文や変更の予定をお知らせください。
実物が届いたら、パウチのサンプル確認チェックリストで、色以外の使い勝手も確認しましょう。
この記事の発信元:パケ直の運営会社・イーサン株式会社